「Trilian」は、Omnisphere2やKeyscapeをリリースしているメーカー「SPECTRASONICS」が手掛けたベース音源。
ベース音源は様々なメーカーから販売されていますが、「Trilian」は、IK Multimediaの「MODO BASS」と並んで2大巨頭と言えるシェアと人気を誇っています。
「クオリティの高いベース音源と言えば?」とDTMerに質問すると、多くの場合はこの2つの内どちらかを挙げると思います。
まずは「Trilian」のリアルなサウンドを下記の動画で聞いてみてください。
まるでベーシストが弾いているようなリアルさとグルーヴを再現しています。
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「Trilian」の特徴・魅力
「Trilian」は主に下記のような特徴があります。
- 複数のエレキベース、ウッドベース、アコースティックベース、シンセベース収録
- 指弾き、ピック、スラップ、ミュート、タップなど奏法を再現するアーティキュレーションが充実
- ルート弾きなど同一音階を連続して弾く場合でも自然に表現するラウンドロビンを搭載
- DAW上での使用はもちろん、単体起動(スタンドアロン)での使用が可能
- シーケンサーのような使用感のアルペジエイターを搭載(シンセベース系のサウンドと相性がいい)
- 見やすく操作しやすい操作画面。直感的にサウンド調整ができる
- 追い込んだ音作りができるエンベロープ、デュアルフィルター、フルモジュレーションマトリックスを搭載
- サウンドパッチが充実。マーカス・ミラーやジョン・パティトゥッチなどの音をモデリングしたライブラリ収録
- MIDI Learn機能搭載
- プリセットブラウザが使いやすく、上下カーソルボタンで切り替え可能。タグ付け&星印のレート付けができ管理しやすい
- マルチシンセ「Omnisphere 2」との連携し、「Omnisphere 2」起動時でも「Trilian」のサウンドが使用できる
- 「Omnisphere 2」との連携で、216種類のサウンドが追加される「Trilian Creative」が使用可能
- 内臓エフェクトが充実。Trilian内で音作りこみができる
- スタンドアロン起動時に録音が可能な「FLOW CAPTURE」機能を搭載。素早くアイデアをメモするときに活躍
- 前バージョン「Trilogy」の音源も収録
Trilianは、そもそも以前「Trilogy」という名称のベース音源でした。
Trilogyの発売はまさに革命的で、まるで本物のベースを弾いているからのようなクオリティを持っていることで注目を集めました。
時を経て「Trilogy」が進化し、さらにリアルで表現力豊かなベース音源として生まれ変わったのがこの「Trilian」です。
「Trilian」のリリース発表会の映像では、Trilianの魅力や再現できることを紹介しているのでチェックしてみると面白いです。
ちなみに、「Trilogy」に収録されていたパッチ(プリセットのようなもの)もTrilianに収録されており、前バージョンの「Trilogy」から利用している古くからのユーザーでも使い慣れたサウンドを引き続き使えます。
収録されているベースの種類・機種
Trilianに収録されているベースは「エレキベース」「アコースティックベース(ウッドベース)」「シンセベース」の3タイプに分類されます。
「MODO BASS」はエレキベースとウッドベースが収録されていますが、Trilianはこれら2タイプに加え、ベースシンセも充実しています。
次の項目からTrilianに収録されているそれぞれのサウンドについて触れていきましょう。
エレキベース
Trilianに収録されているエレキベースは、定番の機種をはじめ、様々なジャンルにフィットするいくつかのベースをモデリングしているので、ジャンルに合わせて見合うものをチョイスできます。
Fender Jazz Bass・Music Man Studio Bass(5弦)・Epiphone Retro 60s Bass・Hardcore Rock 5-string・Lakland Rock P-Bass・Chapman Stickなど
どのベースも、モデリングしたベース本体の特性を持ちながら、太くリアルな音を再現。
初めて触れた人は「これが本当に打ち込みなの?」と感動を覚えると思います。
特に、指弾きとスラップの音質は数あるベース音源の中でもトップクラス。
ラリー・グラハムの世界最強のスラップもリアルに再現できるほどのクオリティです。
ウッドベース・アップライトベース
Trilianの魅力は数多くありますが、中でも特筆すべき点は「ウッドベース」の音質だと思います。
以前はウッドベースを再現したソフトシンセは、お世辞にもリアルとは言えないクオリティでしたが、「Trilian」のウッドベース、アコべはまさにリアル。
このウッドベースのサウンドを得るためだけに「Trilian」を購入しても損はありません。
「MODO BASS 2」にもウッドベースが収録されていますが、「Trilian」ならではの響きは大きな魅力です。
シンセベース
Trilianの素晴らしいところは、エレキベースやウッドベースだけでなく、シンセベースが非常に充実していることです。
エレキベースの音は使わないけれどTrilianのシンセベースの音を使いたい、という方もいるほど素晴らしい音質のシンセベースが鳴らせます。
Trilianのシンセベースが人気の理由は、名機と呼ばれる伝説のハードウェアシンセを素晴らしいクオリティでモデリングしていることが大きな理由です。
Yamaha CS-80 / Cwejman Modular / Moog Minimoog / Little Phatty / Voyager / Taurus Pedals / Korg MS-20 / Oberheim 2 voice / ARP 2600 / Roland Juno 60/106 / Waldorf Pulse / DSI Mopho & Tetra / Roland TB-303、SH-101 / Metasonics KV-100 Assblaster / SE-1 / Omega、ATC-1 / Novation Bass Station
上記の機種などをモデリングし、333種類のシンセベースパッチが収録されています。
とにかく音が太く、引き締まった低音の存在感はお見事です。
アーティキュレーションの種類
「Trilian」のサウンドがリアルなのはアーティキュレーションが豊富に用意されていることにも理由があります。
レガート、スライド(スライドアップ、スライドダウン)、グリス、ハーモニクス、スタッカート、サスティン、ビブラート、Xノート、ハンマリング、プルオフ・プル音、トリルなど、ほぼすべての奏法が再現可能。
MIDIで様々なアーティキュレーションを打ち込むのが苦手な方でも、コントロールしやすいことも魅力です。
また、同じ音を連続して入力している場合、昔のベース音源では打ち込み感がありありなサウンドしか再現できませんでしたが、ラウンドロビンを搭載。
Trilianは、ノートを入力するだけでオルタネイト奏法時のようなナチュラルなルート弾きを再現できます。
この他にも、奏法に関して下記のような特性も備えています。
- LIVEモード:通常の音とスライド音を切り替えながら滑らかに演奏できる
- Stackモード:音域・ベロシティ・CCマップの設定を管理できる
- MIDIファイル、Stylus RMXと同期可能なアルペジエイターを搭載
内臓エフェクトが豊富
「Trilian」は内臓されているエフェクト数もかなり充実しており、音質も高品質。
DI、アンプ、マイクから選択したり、ミックス量を調整して使用することも可能なので、細部にまでサウンド調整ができます。
収録されているエフェクトは下記のものが搭載されています。
EQ / ディストーション / リバーブ / チューブリミッター / コンプレッサー / フランジャー / フェイザー / ステレオイメージャー / ゲート エキスパンダー / ワウ / フィルター(全33種類)
外部エフェクトを使用しなくてもTrilianだけで細部に渡る音作りができることも魅力です。
Omnisphere2との連携で「Trilian Creative」のサウンドが追加
「Trilian」をインストールしているパソコン・MACに、Spectrasonicsのマルチシンセ「Ominisphere2」がインストールされている場合は、「Trilian」と「Ominisphere2」が連動し、「Trilian Creative」という新たなサウンドが使用できるようになります。
それぞれのサウンドを組み合わせたパッチが200以上追加され、OminisiphereとTrilianのサウンドバリエーションがさらに向上します。
通常のベースサウンドに一味加わったサウンドだけでなく、Atmosphere系、サウンドスケープ系のサウンドや、雰囲気たっぷりなシンセベース系のサウンド、Rhodes系エレピなどもおすすめです。
ちなみに、同社のピアノ音源「Keyscape」も「Ominisphere2」と連携させることで「Keyscape Creative」が使えるようになり、こちらも合わせると膨大なサウンドライブラリが構築できるのもSpectrasonics製品の大きな魅力です。
FLOW CAPTURE機能
「FLOW CAPTURE」という機能は、DAWでTrilianを起動するのではなく、「Trilian」のみを起動(スタンドアロン)した場合でも、録音ができる機能です。
アイデアをメモしたいときはDAWを起動するよりも「Trilian」単体で起動して、「FLOW CAPTURE」機能で録音する方がスピーディーにアイデアメモできます。
BPMを設定してクリックを鳴らすことも可能。録音したデータは任意の場所にWav形式でエクスポートできます。
録音したデータや、使用したプリセットのデータも同時に記録されるので、DAWで本格的にアレンジを進める際にスムーズな作業ができます。
Trilianをレビュー:どんなジャンルに合う?
「TrilianとMODO BASSはどっちがリアルな音質なの?」という疑問を持つ方も多いと思います。
結論から言うと、どちらも非常にリアルでどちらも使いやすい。というのが答えです。
ただ、使い勝手や音作りの面などそれぞれにメリットがあるので、使う人によってメインで使用する音源はどちらかに分かれると思います。
どちらにもメリットや特性があるので、どちらも保有して「楽曲によって使い分ける」という使い方がおすすめ。
どちらか一つだけ選ぶなら、バンド系サウンドのJ-POPやRock、アニソン系などを作る場合は「MODO BASS 2」がおすすめ。
一方、JAZZやR&B、US系POPS、HIP-HOP、TRAPなどのダンス系の楽曲制作もする場合は、アコースティックベースの奥行きある質感を再現できることや、クラシックなハードウェアをモデリングしたシンセベースも収録しているという面で「Trilian」がおすすめです。
多くの作曲家や編曲家・ベーシストは、この二つのベース音源の他にAmpleBassなども保有し、楽曲によって使い分けたり、デモ作りにはこちら、本番のアレンジにはこちら、という棲み分けをしている方も多いです。
ただ、MODO BASSは収録されているベースの機種が豊富なことに加え、選んだベースのセッティングをかなり細かく設定できるのが魅力です。
MODO BASS 2の詳細は別の記事でも掲載していきます。
プラグイン仕様・システム環境
MAC
- macOS High Sierra〜Monterey(M1ネイティブ対応)
- AU / VST3 / VST2.4 / AAX
- スタンドアロンで機能可能
Windows
- Windows 10〜11
- AU / VST3 / VST2.4 / AAX / スタンドアロン
共通
- 64-bit OSおよびホスト
- 2GHz以上のプロセッサ、8GB以上のRAM推奨
- 36GB以上の空き容量必須(ダウンロード版 72GB)
- USB2.0ポート(パッケージ版のインストール時)
- アップデータのダウンロードおよびオーサライズ時にインターネット接続環境が必要
価格・過去のセール履歴
【公式価格・通常時の価格】
メーカー公式価格:$299
日本国内代理店価格:38,200円(税込)
トリロジーからのアップグレード価格:$99
取り扱いショップ・購入ページ
「Trilian」が購入できるショップは、Spectra sonics公式サイトの他、国内楽器店で購入可能です。