「lalals」は、自分の声のデータを読み込ませ、好みのアーティスト/シンガーの声を選ぶと、ボーカルデータの音声がそのアーティストの声に変換、または近づけられるという革新的なサービスです。
言い換えると、自分が歌った自作曲のボーカルを有名アーティストの声に変換できてしまう、ということです。
>> lalals公式サイト
いずれは実現すると多くの人が考えていた技術だとは思いますが、実際に体験してみるとかなりの衝撃を受けました。
実際にこのサービスを実際に利用して、デモ曲のボーカルを音声変換してみたのでご紹介します。
まずはボーカル変換前の楽曲を聞いてください。
変換前のボーカル(2Mix)
ちなみにボーカルトラックは「Synthesizer V Pro」(CV:Kevin)を使用して作成しました。
この楽曲のボーカルデータのWavファイルを「Lalals」で、世界的歌姫「Beyonce」のAI合成してみます。
ボーカルデータをサイトにアップロードし、生成されたボーカルデータを使ってミックスしたのがこちらです。
Beyonceの声にボイスチェンジしたバージョン
元々は男性ボーカルのボーカルデータが、女性声&ビヨンセの声質に変換させることができました。
しかも、本当にビヨンセが歌ってくれたのかも?と思えるほど、語尾の声質や微細な質感を上手に再現させられました。
※ちなみに、この2Mixのボーカルにはリバーブなどのエフェクトを通していません。
今回は歌声合成ソフトの「Synthesizer V Pro」で作ったボーカルデータを使用しましたが、
自分自身が歌ったボーカルデータを「有名アーティストの歌声」に変換させることもできます。
言い換えるとこのサービスを使うことで、
自分の曲を有名アーティストが歌っているように仕上げられる
ということです。
革新的なボイスチェンジを可能とした「lalals」のサービスの概要をさらに深く解説&レビューしていきます。
「Lalals.com」で歌声変換&合成できるアーティスト一覧(Inspired Singer)
lalals.comに用意されているAIデータは、5つのカテゴリに分かれています。
- Singer(シンガー)
- Rapper(ラッパー)
- Youtuber(有名YOUTUBER)
- Character(著名人・キャラクター)
- Actor(俳優)
Singer(シンガー)一覧
現在用意されている「シンガー」のAIデータベース以下となります。
現在世界トップのアーティストをほぼ網羅しているだけでなく、往年の世界的アーティストのAIデータも用意されています。
(※アルファベット順で記載)
- Arca
- Alizee
- Angele
- Ariana Grande
- Ava Max
- Bebe Rexha
- Bella Poarch
- Beyoncé
- Billie Eilish
- Britney Spears
- Camila Cabello
- Chanel Terrero
- Charli XCX
- Charlie Puth
- Chester Bennington
- Childish Gambino
- Chris Martin
- Chris Stapleton
- Christina Aguilera
- Demi Lovato
- Dua Lipa
- Ed Sheeran
- Ellie Goulding
- Elton John
- Elvis Presley
- Frank Sinatra
- Freddie Mercury
- Halsey
- Harry Styles
- Justin Bieber
- Khalid
- Kurt Cobain
- Lady Gaga
- Lana Del Rey
- Layne Staley
- Lewis Capaldi
- Madison Beer
- Madonna
- Mariah Carey
- Melanie Martinez
- Michael Buble
- Michael Jackson
- Miley Cyrus
- Nina Chuba
- P!NK
- Ray Charles
- Rick Astley
- Rihanna
- Romeo Santos
- Rosalia
- Rose
- Roxie Wegiel
- Sabrina Carpenter
- Selena Gomez
- Shakira
- Shreya
- Tate McRae
- Taylor Swift
- The Weeknd
- TikTok TTS
- Tom Jones
- TY DOLLA $IGN
- Usher
- Whitney Houston
- Young Michael Jackson(少年期のマイケル・ジャクソン)
2023年6月時点で、以上の65アーティストの歌声をAI合成させることができます。
変換・合成の品質はアーティストデータによって違いあり
冒頭でご紹介した、デモ曲の男性ボーカルをビヨンセの歌声に変換したバージョンを聞いて貰いましたが、他のアーティストのAI合成データも使用してみました。
各アーティストごとに分析できる楽曲データやボーカルデータが異なることもあってか、すべてのアーティストが超高品質の変換ができるとは限らないことがわかりました。
しかしながら、どれもアーティストの特性を再現する「変換&合成」ができました。
一部のアーティストで変換したボーカルトラックを下記に掲載していきます。
Camila Cabello(カミラカベロ)
まずは、Camila Cabelloの本人の楽曲もチェックしてから、今回AI合成したボーカルデータを聞いてみてください。
彼女の声質を反映しているのがよくわかると思います。
▼ lalals.comで、「Camila Cabello」の歌声に変換するとこうなりました。
カミラの声特有の心地よいドライブ感のあるボーカルに変化させられました。これはスゴイ…!
Billie Eilish(ビリー・アイリッシュ)
次はBillie Eilishの声にボイスチェンジしてみます。
こちらもまず、Billie Eilishご本人の楽曲もチェックしておきましょう。
lalals.comで、「Billie Eilish」の歌声に変換するとこうなりました。
Billie Eilishの声を合成&ボイスチェンジ
少しノイズ感が気になりますが、ウィスパー感が色濃いビリーアイリッシュ風の歌声に変換できました。
アーティストそれぞれの歌声特性を見事に掴んでいるなと感じます。
The Kid LAROI(ザ キッド ラロイ)
ジャスティン・ビーバーとのコラボ曲が大ヒットしたThe Kid LAROIの歌声もラインナップされています。
The Kid LAROIの歌声を合成&ボイスチェンジ
男性ボーカル→男性ボーカルへの変換だったので、変化が分かりにくいかも?と予想していましたが、The Kid LAROIがこれまで発表してきた楽曲で聞いた「若々しくパワー感のある歌い方」を見事に再現しているように感じます。
少しノイズ感が気になりますが、ボーカルをクリアにするプラグインなどを使用することで気にならないレベルにまで仕上げることもできました。
Justin Bieber(ジャスティン・ビーバー)
Justin BieberのAIアルゴリズムもラインナップされています。
ジャスティンの歌声を自分の楽曲で再現できるなんて…!と期待してしまいます。
Justinご本人の歌声を改めて聞いてみてください。
Justin Bieberの歌声を合成&ボイスチェンジ
かなり近いとは言えないですが、ジャスティンの声の微細なニュアンスが再現できているように思います。
メロディの音域が低い楽曲で変換すれば、もっとジャスティン感が強く出せるのでは?とも感じました。
色々な音域の楽曲で試す価値ありですね。
Ariana Grande(アリアナ・グランデ)
次にテストするのはAriana Grandeです。彼女の歌声を再現できるなら、作りたい曲がたくさんある!という人も多いのではないでしょうか。
Ariana Grandeの歌声を合成&ボイスチェンジ
今回の楽曲の音域の影響もあるかもしれませんが、Ariana Grandeへのボイスチェンジが最も本人っぽく聞こえると感じました。
アリアナの本人の歌声だよ、と言われても信用してしまいそうです。
あとは元データの感情表現や細かなボーカルテクニックで質を向上させられるのかもしれません。
以上、いくつかのシンガーの声にボイスチェンジしてみましたが、予想以上の品質に驚きました。
インスパイアしているアーティストの音域なども考慮して、フィットする楽曲を組み合わせると「まさにこのアーティストの歌声だ!」という楽曲に仕上げられるかもしれませんね。
この技術を上手に使うと、Zeddなど世界DJ/プロデュ―サーと同じように様々なボーカリストとのコラボ曲が制作できるとも考えられます。
仮想世界的シンガーの彼女・彼らとの楽曲制作ができると考えると、どれだけ革新的な技術なんだろう…と改めて感動しちゃいます。
>> lalals公式サイト
Rapper(ラッパー)一覧
シンガーだけでなく、ラッパーのAIデータもラインナップされています。
自分のラップを世界的ラッパーの声で演奏させるとどんな聞こえ方がするのか?と気になる方も多いと思いのではないでしょうか。
lalalsには文句なしで世界最強ラッパーの面々が並んでいます。
- 21 Savage
- A Boogie Wit da Hoodie
- Apache
- ASAP Rocky
- Bad Bunny(Spanish Rap)
- bbno$
- Burna Boy
- Cardi B
- Central Cee
- Doja Cat
- Drake
- EAZY-E
- Eminem
- Fetty Wap
- Ice Cube
- Iggy
- Jack Harlow
- Juice WRLD
- Kanye West
- Kendrick Lamar
- Lil Baby
- Lil Durk
- Lil Nas X
- Lil Peep
- Lil Wayne
- Logic
- Mac Miller
- Nicki Minaj
- Pitbull
- Pop Smoke
- Post Malone
- Quavo
- The Kid LAROI
- Travis
- will.i.am
- XXXTentacion
- Young Igi
- YoungBoy
2023年6月時点では全部で38人のラッパーのデータが利用できます。
特に大物ラッパーのKanye West・Drake・Kendrick Lamar・will.i.am・Eminemなどは、使ってみたい方が多いのではないでしょうか。
また、Cardi Bなどフェメールラッパーもラインナップされています。
Drake(ドレイク)の声で歌モノを変換
シンガーのAI合成でも使用したデモ曲のボーカルを、ラッパーのDrakeのAIアルゴリズムを使って変換してみました。
Drakeの歌声を合成&ボイスチェンジ
ラップではない歌、なおかつDrakeの音域ではない楽曲であった影響なのか、Drake感は加わったようにも思いますが、あまり効果的な変換は実現できなかったように思います。
ラッパーのAIデータは、やはりラップ曲のボーカルデータに使用する方がよいかもしれません。
ですが、世界的ラッパーの声を自分の曲で再現できるなんて夢のようですよね…。
著名人・キャラクターのボイス一覧
シンガーやラッパーだけでなく、世界的著名人やキャラクター、YouTuber、俳優の声に変換することもできます。
ラインナップを見てみると各国の大統領もいるので悪用されることを心配してしまうほどです。
- Adolf Hitler
- Agent47
- Amlo
- Andrew Tate
- Angela Merkel
- Arthur Morgan
- Barack Obama
- Ben Shapiro
- Chris Griffin
- Chuck McGill
- Craig Tucker
- Donald Duck
- Donald Trump
- Dora The Explorer
- Elmo
- Elon Musk
- Erdogan
- Eric Cartman
- Hank Hill
- Homer Simpson
- Joe Biden
- Joe Rogan
- John F Kennedy
- Kermit the Frog
- Kevin Hart
- Kim Wexler
- King Julien
- Lionel Messi
- Macron
- Marge Simpson
- Marilyn Monroe
- Mr Krabs
- Peter Griffin
- Phineas
- Putin
- Rick Sanchez
- Saul Goodman
- Selenskyj
- Sonic Boom
- Squidward
- Stewie Griffin
- Talkbox
- Tom Hiddleston
興味深いのは、ElmoやDonald Duck、Marge Simpsonなどのキャラクターがラインナップされていることです。
lalalsは、歌だけでなく、普通の会話やスピーチの音声を変換することもできます。
声の良い俳優さんや著名人の声質に変換できるのも面白い使い方だと思います。
lalalsの使い方
lalals.comは、制限はありますが無料で利用できます。
自分の声データをアップし、Web上で変換結果をチェックするまでは無料で行えます。
データをダウンロードするには有料版の利用が必要になります。
次の項目からlalals.comの具体的な使い方の手順を解説していきます。
【1】アカウントを作成する
lalals.comのアカウント作成ページにアクセスして、メールアドレス、またはGoogle・Facebookアカウントでの連携でアカウントを作成します。
>> アカウント作成ページ
【2】変換したいデータをUploadする
登録が完了すると、lalalsのトップページに移行されます。
画面右上に、無料アカウントでは3回の利用ができることを示す「Free credits left : 3」という表記が確認できます。
変換したいアーティストを選択し、アップロード枠に歌・音声を収録したデータをドロップ&ドラッグしてアップロードします。(ブラウザによってはD&Dが非対応なのでアップローダーからファイルを選択します)
【3】変換終了まで待つ
ファイルをアップロードすると、画面が切り替わり変換が始まります。
一般的な楽曲の長さであれば数十秒で終了します。
長尺の会話データやスピーチデータの場合は1分以上かかる場合もあるので、100%になるまで待ちましょう。
また、赤色の「Record Audio」のボタンでは、スマホやパソコンから直接録音して変換が可能です。
【4】変換完了!
変換が完了すると上記の画面に移行します。
再生マークをクリックすると変換結果が再生できますが、無料版で利用している場合は、ファイル自体のダウンロードができません。
ダウンロードボタンを押すと、有料プランへの案内をされるので有料アカウントに変更するとダウンロードできるようになります。
自分の楽曲に変換したボーカルデータを取り込んでミックスしたい場合は有料アカウントを利用してみてください。
有料アカウントでできること
有料アカウントを利用すると、変換回数の制限がなくなるだけでなく様々な機能が利用できます。
- 変換回数の制限なし
- 変換したデータのリストページ・ダウンロードが可能
- 最上位版では、ボーカルデータをAIに読み込ませて歌声アルゴリズムを生成できる
上記の画像のように、有料プランでは過去に変換したデータの履歴・ダウンロードページが閲覧できるようになります。
ボーカルデータを学習させて、オリジナルのアルゴリズムを生成できる
lalalsでは、あらかじめ用意されているアーティストアルゴリズムだけではなく、自分の声のデータを学習させて、自分の声のAI合成アルゴリズムを生成することができます。
これは有料版の最上位コースで利用できる機能で、ボーカルのみのファイルを読み込ませることで学習させられます。
lalasを利用する際にチェックしておきたいポイント・よくある質問
lalas.comの利用方法以外にチェックしておくべきポイントをまとめておきます。
商用利用できる?
lalas.comの公式サイトをチェックすると「商用しても問題ない」と提示されています。
下記に直訳文を掲載します。
※原文と翻訳文を掲載
Can I use Lalals for commercial use?
Yes! Our paid service allows for commercial use, so you can release your transformed vocals on platforms like Spotify, YouTube, TikTok, and more. With Lalals, the sky’s the limit for your creative potential.
https://lalals.com/
ララルスは商用利用できますか?
翻訳:Google翻訳
はい! 有料サービスでは商用利用が許可されているため、変換したボーカルを Spotify、YouTube、TikTok などのプラットフォームでリリースできます。 ララルがあれば、あなたの創造的な可能性は無限に広がります。
商用利用して問題ないのなら活用の幅がかなり広がります。
ボーカロイドなどの歌声合成ソフトではなく、自分が歌った歌を有名アーティストの声にボイスチェンジして発表する、という形もよいかもしれません。
ララルスは合法?
この項目についても下記に直訳文を掲載します。
※原文と翻訳文を掲載します。
Is Lalals compliant and legal?
Yes, we ensure that our service is compliant and legal and our AI voices are only trained with legal material.
https://lalals.com/
Lalalsはコンプライアンスと法的基準を満たしていますか?
はい、私たちのサービスはコンプライアンスと合法性を保証しており、私たちのAIボイスは合法的な素材のみを使用して訓練されています。
翻訳:Deepl
まとめ
lalasの機能・使い方、レビューをしてきましたが、ララルスはすごいサービスだということがお判りいただけたでしょうか。
実際に使ってみると、仮想的に自分の曲を憧れのアーティストに歌って貰いたい!という夢が叶ってしまう革新的な技術だと感じました。
理想の楽曲に仕上げたいけれど、理想の歌声で歌ってくれる人が周りにいない…という方は、自分で歌ったボーカルデータをlalalsで変換してみるのもよいと思います。
今後も「lalals」の活用法など、更に詳しい情報をこの記事で随時更新していくのでまたチェックしてみてください。