Heavyocity社から配布されている「Foundations Piano」はグランドピアノの柔らかいタッチとシンセサウンドをレイヤーさせたフリーのピアノVST音源です。
Native Instruments社のKontakt Player(無料)で動作します。
ソフトタッチのピアノサウンドや柔らかなリバースサウンド、さらにアルペジエーターも搭載するなど、シネマティック音楽制作向けの音源を多数リリースしているHeavyocity社ということもあって、無料とは思えないクオリティです。
Foundations Piano
製品名 | Foundations Piano |
メーカー | Heavyocity |
音源ジャンル | ピアノVST |
動作エンジン | Native Instruments社 Kontakt(無料のKontakt Player対応) |
必要ストレージ | 2.7 GB 非圧縮 (NI 可逆圧縮のディスクでは 1.21 GB) |
対応フォーマット | スタンドアロン、VST、AU、AAX ※Komplete Kontrol 統合 (NKS 対応) |
システム要件 | ・Mac: macOS 10.14、10.15、11 または 12 (最新のアップデート) ・PC: Windows 10 または 11 (最新の Service Pack)、Intel Core i5 または同等の CPU、2 GB RAM ・OpenGL 2.1 以降のグラフィックス ハードウェア サポート ・4 GB RAM (大規模な KONTAKT インストゥルメントには 6 GB を推奨) ・Kontakt 6.6.1(Kontakt Player)以降 |
Foundations Pianoの使い方
Foundations Pianoの操作画面はシンプルな設計で使いやすいです。
メインウインドウの解説
Foundations Pianoのメイン画面です。
- 操作画面切り替え
- メインコントロール
- プリセット選択ウインドウ
以上のような構成になっています。
1)操作画面切り替え
メイン画面左側のアイコンでサウンドコントロールの調整をするページに切り替え可能。
上から、
- ADSR調整
- アルペジエーター画面
- エフェクト画面
となっています。
●ADSR調整画面
ADSR調整を行うページでは、サウンドのアタック、ディケイ、サスティン、リリースを調整します。
右側にはサンプルの再生位置を調整する2つのノブが用意されています。ADSRとは違ったサウンドの変化が加わります。
●アルペジエーター設定画面
アルペジエーター設定画面では、ピアノとテクスチャサウンドのアルペジエーター設定ができます。
アルペジオだけでなくゲートモードも搭載されていて細かい調整ができます。
●エフェクト画面
エフェクト調整画面では、
- Punch:サチュレーターのような効果が得られるノブ
- DELAY:ノブを回すとディレイの音が大きくなる・スライダーでタイム設定
- REVERB:ノブを上げていくとリバーブの音が大きくなる。スライダーでタイム調整
というシンプルな内容です。
Punchノブを上げるとコンプと若干の歪みが付加されるのでサウンドを前に出したいときに使うのがおすすめです。
ディレイとリバーブはノブを上げていっても、原音の音量は保たれているのでWETではなく、センド量が上がっているような仕様でした。
そのため、曲に合わせてノブを上げていくことで原音を保ちながら残響音が付加できます。
FOUNDATIONS PIANOのプリセットサウンド
Foundations Pianoには種類はプリセットサウンドを内蔵しています。
プリセットの内容は、
- FOUNDATIONS PIANO
- CLEAN SOFT PIANO
- REFLECTED PIANOS
- REVERSE PIANO PULSES
- TEXTURE CYCLES [HOLD]
- MUTED RAINDROPS [ARP]
- STACCATO WAVES [ARP]
- TRIPLETS FALLING [ARP]
- PULSING PIANO PADS [RHY]
- SYNCOPATED PIANOS [RHY]
以上の10種類を収録しています。
STACCATO WAVES [ARP]はアルペジエーターがオンになっているプリセットです。
和音を抑えるだけでデモサウンドのようにアルペジオフレーズが鳴らせます。
アルペジオ設定でベロシティの調整ができるので、有機的なアルペジオも表現できるのが良いですね。
まとめ
Heavyocity社のFOUNDATIONS PIANOは無料とは思えないクオリティのピアノVSTです。
柔らかく響くピアノ、レイヤーやリバースサウンド、アルペジオなど、特徴がはっきりとしているので、リアルなグランドピアノ音源では表現しづらいようなアンビエントなピアノサウンドが欲しいときに活躍してくれます。
無料のKontakt Playerにも対応しているので、導入のハードルも低いのも嬉しいポイント。
無料で雰囲気の良いピアノ音源を探している人はもちろん、劇伴やBGM、舞台音楽などを作成している人もダウンロードしておいて損は無い音源です。